〜浮浪生活10日目〜
05/15 雷雨のち曇りのち晴れ
のち曇り時々雨 クソ蒸し暑い
『アラバマ州 モービル』
午前3時、猛烈な雷撃音に起こされる。凄まじい稲光がピカッと光ったとほぼ同時にズドドーンと落雷。正にピカドン。さすが最強の落雷エリアであるメキシコ湾岸だけあって高木ブーも逃げ出すほどの激しさ。周囲の森には稲妻が突き刺さり放題であり、紫がかった雷光に車内まで照らされ、爆音の度に地響きが。最初は「すげぇ」って感じで見物していたわけですが、あまりのやかましさに段々イライラしてくる。クソ蒸し暑いのでムーンルーフを少し開けておいたわけで、車内は割とビショビショ。爆音、閃光、濡れタオルケットの三重苦の中、耳栓をしてまた寝る。
ウェルカムセンターにて起床。
激しい雷嵐が嘘の様に晴れております。
午前6時、また起きる。雨は止んだが曇っているのでやる気が出ない。南の島の大王バリの理由でまた寝る。
午前7時、晴れたので起床。朝から75°F(24℃)もあって蒸し暑い。南部での車中泊2日目ということでかなりキモチ悪いわけで。冷水器でペットボトルを満たし、頭にかけてみる。放水時間は5秒ほどだが意外にスッキリ出来ることが判明。これを数回繰り返しスカッと爽やかに出発準備完了。「大五郎クラスのペットボトルがあれば尚良し」などと考えてしまうダメ生活。もう少し計画的にモーテルを利用しようとは思っているのですが、わかっちゃいるけどやめられないのでした。
午前7時50分出発。I-10eastで戦艦アラバマのあるBattleship Memorial Parkに向かう。
I-10east、レストエリアを出た辺り。
南部に入ってからは霞んだ空ばっかり。

I-10east、Mobile付近。
久しぶりにトンネルに突入。
モービル川の長いトンネルを抜けると戦艦アラバマであつた。
Battleship Memorial Park入口。
午前8時半着。戦艦以外にも航空機や潜水艦、戦車類が展示されている様で予想外に広い。エアクラフトパビリオンなる建物もあり、かなり時間がかかりそう。早速突入したい所だがデジカメ充電が完了していないので車内にて待機する。
異常に腹が減ってきたのでギフトショップに入ってみるが食品類は何も無いわけで。仕方なく以前に買った缶詰を開ける。内容物は豆、トマト、コーン、グリーンチリが入っている野菜のごった煮的な何か。スプーンが無いのでラッパ飲み、というかラッパ食いで食す。アメリカで変な食品にトライすると「食べられません」か「空腹時にのみ可食」のどちらかである場合が多いがこれは喰える。というか美味しゅう御座います。ペコペコ動物状態の俺はウイダーinゼリーの如く10秒で缶詰チャージ完了。
戦艦アラバマへ突入。
午前9時半、朝食、充電を完了しやっと見学開始。入場は$10だがウェルカムセンターでゲットしたクーポン券を使うと10%Off。ただが$1でもクーポンを活用した達成感に満足しつつ艦内へ向かう。正に庶民。
今までに観てきた艦と比べると全長はやや短いが、美味しいトコだけ一番絞りされたサウスダコタ級の戦艦アラバマ。艦内は開放しているエリアが広く、ブリッジもかなり上まで見学できます。A、B、Cの三つのルートが設定されており、それぞれ赤、緑、黄の矢印に沿って進むと迷子にならずに全部回れるシステムになっております。
いつもの様にひたすら歩き回り、撮影を繰り返す。至る所にコンセントがあるので充電し放題なのはいいが、待ち時間がなんともアホ臭い。しかし旅行記サイトの制作を密かに目論み始めていたわけで、激写を止めるわけにはいかないのでした。
艦橋よりモービル市街。
戦艦ならではの高さであります。
良く知らんが映画フォレスト・ガンプの舞台になった街らしいです。
艦橋より左舷前方。
モービル湾から北東方面。なんも無いです。
手前には展示車両の戦車等が見えます。
午後1時、アラバマ艦内とエアクラフトパビリオンを一通り回ったところで車に戻り、またしてもデジカメ充電待ち。再入場しようと思ったら激しい雨が降り出す。思えば天気予報も見ないでここまで好天続きだったのはラッキーだったのかもしれん。などと思ってみる。
入口の建物。
雨はスコール的で、空の右半分は晴れております。

エアクラフトパビリオンと雨ざらしのブラックバード。
潜水艦ドラム。揚陸されております。
午後2時、小雨になったので再入場。潜水艦ドラム艦内を観る。太平洋戦争で初の日本軍艦撃沈をした艦らしいです。乗員は約70名らしいが、男ばかり70人を詰めて海に潜るわけであり、やはり戦争の恐ろしさが伝わってくる一品であります。
潜水艦内外を30分ほど回って見学終了。ギフトショップでショットグラスをゲットしてから外へ出る。
そして今度は屋外展示品を見学。B-25、B-52、ブラックバードなんかが展示されている。戦車類はよく分からないがとりあえず激写。湾岸戦争時に捕獲されたイラク軍戦車もおりました。
ちょっと遠目から戦艦アラバマとB-52。
大きい、とても大きい。
ちなみに2005年のハリケーン・カトリーナの被害で傾いてしまったらしいです。
午後3時半、見学終了。6時間も歩き回ったし、こんなもんで勘弁してやろう。
本日はNew Orleansまで行きたかったわけですが、見学に時間を食いすぎたので中止。白い砂浜があるらしいオレンジビーチなる場所にも行きたかったのだが、小雨が降ったり止んだりなので中止。早めにモーテルを探すことにする。昨晩ゲットしたトラベラーズガイドで安い所を簡単に発見。今朝出発したI-10のレストエリアのすぐ近くで、30分もあれば着きそうな距離なわけでして。順調にいけば午後4時半には寝床確保、午後5時前には飲酒してゴロゴロ開始の予定。
そんな感じで出発当初の浮浪精神を忘れ、生ぬるいスケジュールを組んで浮かれる俺。当然ながら天罰が待っていたわけで。
目的のI-10 Exit3まであと数マイルの地点で急に渋滞。そして完全停止。この先には大きな町は無く、一直線に広い道が続くだけのはずでして、自然渋滞が起きるわけも無く。事故だろうか。思えば救急車2台とすれ違ったような気がする。パトカー数台が路肩から抜いていった様な気もする。
停止から10分経過、完全にハメられた事を悟りエンジンを止める。外に出て様子を見るが前後共に長蛇の列。あきらめて荷物整理を始める。さらに20分が過ぎる。車内もトランク内も掃除完了、モーテル入りの準備完了。さらに10分経過、リアハッチに座って爪切り。対向車線には車から身を乗り出し、叫びながらこちら側を挑発してくる若者。しかしこちらサイドとしてはすでに1時間以上も完全停止しているわけでして一切の感情が起こらないわけで。
ハメられた人々、その1。
ファンタジー溢れる光景です。
完全停止から約1時間半、脳が限界でアレになってしまったのか、路肩を歩く人がちらほらと出現。どう考えても待っていたほうが早いと思われますが。イヤ、もうどうでもいいけど。何故か裸足で歩いている人もおりました。ラジオをつけてみるとやはり重大事故の発生を伝えているが、BGMが陽気なカントリーミュージック。イヤ、もうどーでもいいです。
ハメられた人々、その2。
中央分離帯を散策してみる。皆さんすごいイライラっ面をしておりました。
午後5時45分、少しずつだが走り出す。といっても路肩を歩く人々と同等の速度。延々と続く強制低速走行で故障車も数台出ておりました。
午後6時、やっと事故現場を通過。オールクリアー、というわけで総員鬼の様な加速をみせるかと思っていましたが、意外と普通に走行。やはり皆様お疲れの模様。結局2時間ほどハマらさせて頂き腐りやがりました。
現場には上半身が潰れたSUV車がレッカー車に乗せられていましたが、ぐちゃぐちゃで車種は不明でした。ちなみに現場付近では対向車線でも3台ほど事故っておりまして。見物渋滞ではなく見物事故が起きるところがアメリカン。さすが戦争中でも戦死者数より交通事故死者数のほうが多い国だけはあるぜ。
現場の対向車線。3台ほどが事故っておりました。
欲望のまま進むのがアメリカンスピリッツ。
せめて直線ぐらいは事故らない方向で前向きに検討して頂きたい今日この頃であります。
※翌日に知ったのですが、この事故で若者二名が亡くなったそうです。残念です。※
現場を抜けるとすぐにExit3を発見。しかし辺りには何も無いわけで、そのまま通過してみるが辺りには木と草しか無い。さらに直進するとMississippi州に入ってしまう。おかしい。一度降りて戻ってみるが、反対車線にはExit3すら無い。イヤな予感がするので、トラベラーズガイドを再確認してみると。「うおー!」。
「I-10じゃなくてI-65のExit3じゃねーか!」。つまりは存在しない幻のモーテルに向かっていたわけで、よりによってその勘違いしてた場所の前で大事故が発生したわけであり、早とちっていなければあのクソ渋滞にも巻き込まれなかったということなわけで。「うおー!」。
何かと自分自身に失望する出来事の多い今回の旅だが、あらためてガックリ。「ちゃんと確認しなきゃ」とか「事前にチェック」とかいう消費者金融のCMが頭をよぎるわけで、サラ金のキャッチフレーズに人生の警告をされてしまう俺。結構当てはまっている所が情けない。
そんなわけで明るい内から飲酒してゴロゴロの野望は打ち砕かれ、今後の人生にも不安を抱きつつ次のモーテルを探す。本日の不運は終了した様で、すぐ近くに数軒を発見、しかも割りと安い。数分前にはガックリしていたのにすぐに浮かれてしまう俺。喉元過ぎれば熱さを忘れる量産型庶民であります。
午後6時半、豪邸に帰還。2日ぶりの風呂に入って洗濯してもまだ午後7時。おビールを頂きながらテレビみてまったり。これぞ人間本来の姿ではあるまいか。「車中で2泊なんて旅じゃなくてホームレスだぜ!」などと心の中で叫びながら、本日のメインイベントであるオイスター君をレンジにて加熱。コンビニで奪ってきた塩をかけ、スーパーで奪ってきたプラスチックスプーンで食す。「お、美味しゅう御座います」。そしてエビ君とシーチキン君はサラダにのせて食す。久々の生の野菜感で美味しゅう御座います。「ビーフジャーキーに缶詰が主食なんざ第二次大戦時の野戦レーションと同じだぜ!」。久々に文明社会の恩恵を受け心の叫びが止まらない。
そして牛生肉の調理を開始。厚さ2.5cmはある生肉をそのままレンジに投入。ある程度予想はしていたが、やたらと水分が出てきやがられるわけで、ブクブクと泡立ってとても美味そう、じゃ無い。火は通ったのでコンビニで奪ってきたケチャップで食す。硬い。とても硬い。そして程よく臭いのでコンビニで奪ってきたタバスコでごまかす。しかしまだクサ硬いわけで、今度は赤ワインをかけて再加熱。俺流牛肉の赤ワイン煮の完成。本日は高級ディナーを楽しむはずだったが、メニュー後半が猫飯風になってしまった。
文句を言いつつも完食。飯を喰ったらゴロゴロするのが人というものであり、飲酒をしつつテレビを観てまったり。当モーテルはチャンネル数が少ないわけで、今日の事故報道を探すが見つからじ。なぜか日本のアニメは2チャンネルで放送されており、英語字幕でもろに日本語音声なんで妙な気分。久々の日本語放送なわけで、よくわからんアニメだが鑑賞してみたりしてみる。
午後10時、酒+謎のアニメ=睡魔、というわけで少し早めに御就寝。