いつもどおりトイレで洗顔、歯磨き、さらに人のいないことを確認してから頭も洗ってみる。遠慮しながら洗っているわけであり、プロ化してしまったのでは無い。断じて違う。
午前7時50分、昨晩入園を断念したストーンマウンテンパークへ向けて出発。とりあえず園内をゆっくり偵察していると急に便意を催す。久々の豪華な朝食が出口まで一気に達した模様であり、初期症状から臨界点までが予想外に早い。パンフレットで地図を確認しトイレへ急行するが、これがまたマジで広いわけで、駐車場に停めた時にはすでにメルトダウン寸前。
爽やかな朝日を受けつつトイレに直行するが、仕組まれたようなタイミングで清掃中。楽しげな観光客どもに便意を悟られぬよう、地図を見たり、景色を見るフリをしたりして耐えがたき耐えるも、なかなか終わる気配は無い。我慢できずに軽く中を覗いてみたが、あの清掃員のアメリカ式労働スタイルからして当分終わりそうに無い。現在無職浮浪中につき文句を言える立場では無いのですが、はっきり言って永遠に終わりそうに無い。
プレッシャーの周期は確実に短くなり、その勢力も強まる一方。この状況下での判断ミスは許されないわけであり、普段は優柔不断な俺も即刻の転進を決意。やや腰を曲げた姿勢で地面の一点を見つめつつ定速歩行で車へと向かう。
車まであと数メートル、一瞬の気の緩みをついて悪魔が襲う。その瞬間、何かが強い圧力に押し出された様な感覚が走る。数秒後、内太腿に何かが触れた、様な気がした。歩速を緩め、被害箇所を確認。「いや、大丈夫だ」、「ウェット感も無し」。
「異常無し!」とばかりに前進を再開した直後。チョコボール的な何かが「コロ、コロン♪」とアスファルト上を転がるのが視界に入る。見て見ぬフリをしつつ横目で凝視。サイズ的にはチョコボールと同様だが、そのテクスチャーはあの有機ブツにしか見えない。
しかし今は敵主力への対応が先であり、尖兵を相手にしている間は無いわけで。「違う、絶対違う」と自分に言い聞かせつつ車に乗り込む。マップ上に第二目標を確認し、もうろうとした意識で車を走らせる。もう誰にも邪魔はさせないぜ!最後の力を振り絞り便座を確保。「ふぅー」。戦闘終了。
改めて被弾箇所を調査するがソレらしい形跡は無い。アレは幻だった思いたいところだが、まぶたの裏に焼きついたブツは確実にソレだったわけであり。
せっかくの観光地で日本に先駆けてチョコボールダークチョコ味を新発売してしまった俺。キョ○ちゃんもビックリだろうが、自身はガックリ。あまり食べてなかったんで硬かったのが不幸中の幸い、などと分析しつつもそれなりにショックなのでした。ちなみに享年二十九。はぁ。彫刻のモデルは南北戦争時代の南軍の英雄らしいが、おそらく将軍達も俺の戦いぶりを見ていたことだろう。「チョコボールは幻だった」とささやき掛けてくれているようだ。思えば、かの徳川家康も初陣の際には内なる敵との戦があったと伝えられているわけで。家康公は「これは尻味噌じゃ!」の一言で周囲を一蹴したと聞く。その後の活躍は語るまでも無いわけで。つまりは「これはチョコボールじゃ!」の一言で天下への道が開けたと考えるのが妥当。何を言いたいかというと、人間の犯す些細なミスなんかは忘れさせてくれるそのスケールに驚きってことだ。
岩は上まで登れるらしいが面倒なのでパス。テキトーに歩き回っていると古い町並みを再現した感じの一角に入る。建物内はレストランやギフトショップなっており、いろいろなアトラクションもある模様。店員も昔の格好をしているわけで、これぞ正に観光地。
さらに進むと岩を一周する列車の駅を発見。遊園地仕様の列車ではなくリアル機関車が走っているらしい。時刻表を見るともうすぐ来るようなので、辺りをフラフラしながら待つことに。程無くして「パオーン、パオーン」という汽笛とともに機関車登場。とりあえず激写。駅の中には古い列車グッズが展示されておりました。
岩周辺の見学終了。今度は岩を囲う湖沿いの道を走り、周囲を見学する。先ほどは便所マークのみに気を取られていたがいろいろある模様。遊覧船やハイキングコースもある。アトランタオリンピックで使用した施設もあるらしい。なぜかアンティークカー博物館もある。さらにはゴルフコースまであるらしい。しかしどれも興味の無い品揃えなので軽く一回りして見学終了。
入口前には遠足だろうか大量の子供達が座っており、司会のお兄さんがコーラに関する質問なんかをして盛り上げている。「コーラは骨が溶けるからガキは飲むな」とニセ情報で子供に恐怖感を植え付ける某国とは正反対の教育方針のようだ。
館内に入ると結構混雑おります。チケット購入の列に並び、午後1時50分、やっと入場。
日本代表にはべジータベータなる健康飲料的な何かが。各国代表がストレートにジャンクなソーダを出してくる中、小ざかしい感が否めない。せめてリアルゴールド的な力強さを見せて欲しかった。ような気がした。
そしてついにイタリア代表の前へ。ビターアペリティフと書いてある。まずは前方の黒人女性がトライ。若手芸人バリに体全体でその不味さをアピール。俺には「絶対飲むな」などと言ってくるが、かまわず飲んでべジータベータで失墜した日本男児の勇ましさを見せつける。「ニガイ」。確かに苦いがそれを日本語で表現した瞬間に隣で一部始終を凝視している黒人女性にボコボコにされるのは必至、笑顔で「Good」などと言ってみる。お味的には名前の通りにビター系カクテルの様で飲めなくも無い、が金を出すのはイヤといった感じでした。
しつこく何度も並んで全17品を制覇。試飲終了。さすが世界のコカコーラというわけで、人の道を外したような製品は御座いませんでした。店地獄を出てからダウンタウンを歩いてみる。古い建物が多いです。狭い道路は渋滞しており、窓全開の車内からラップミュージック的な爆音が流れてきます。アトランタといえばCNNなわけですが、これがドコにあるかわからんわけで。「見れればいいな」、ぐらいでテキトーに歩き回ると意外に早く発見。当たり前だが外見はただのビルでした。
遠回りをして少し外からダウンタウンを眺めてみたり、人気の無い道で怖そうな人々とすれ違ってみたりしながらパーキングに戻る。なんだかんだで2時間以上歩いてしまった。
いつもの様に街中をぐるぐる走り回るが、「あなた本当に州都ですか?」といった感じでどこも寂れすぎている。店とかもほとんど無いし、なんだか人影も見当たらないわけで。
とりあえずオールドタウンで停めて歩いてみることに。確かに古そうな家が並んでいますが、どれがそのオールドな家なんだかいまいちわかりません。じろじろ見ていると中の住人と目があってしまったりするわけで、紛らわしすぎる。Old Alabama Townと書かれた建物を発見。情報ゲットとばかりに行ってみるが閉店の模様。結局なんだかわからんままそれっぽい建物を激写して終了。
州議事堂らしき建物周辺に移動して探索を再開。誰もいません。外出禁止令が発動されているかのごとく、全く誰もいません。オールドタウンではなく、普通に渋くなってしまった商店街を撮影。リアルです。こっちのほうがよっぽどオールド感出ております。「誰もいねーぜ」などと思いながら辺りをフラフラしていると、路上駐車された車の中から視線を感じる。外には誰もいないが車内には密かにいるわけで。しかも見た目が一見アレ風な方々ばかり。しかも一台に数人。他の車を見ても中で寝ているような人影がいくつも。というわけでそそくさと車に戻る。
きっと楽しい場所は別にあるに違いないと郊外を走り回るが、定番の迷子状態に陥るのみでそれらしき場所は無し。
午後7時、迷子から脱出しI-65southに乗る。午後7時10分、一度降りて給油、全く何も無い街モントゴメリーより離脱、次の目的地モービルに向かう。ちなみに景色の98パーセントが寂れておりました。イヤ、俺にはそう見えました。
午後10時、I-10westを走行中、反対車線に大きいレストエリアを発見。一度Mississippi州に入ってから戻って来て停車する。なんか立派だと思ったら州境のWelcome Centerらしい。建物は工事中で閉まっているが、入口にはアラバマ州の地図や旅行者向けの冊子が置いてある。そして冷水機もある。警備員までいる。
「どうせ大してウェルカムじゃ無いんだろう」などと決め付けていたわけで、今までに寄った事は無かったのですが。ウェルカムセンター最高であることが判明。
ビジターズガイドなる小冊子にはハイウェイ沿いのモーテルや観光地が掲載されまくっている。しかもクーポン券つき。「うおー!今までも素直に寄っていれば良かったぜ!」。意地で自力で探すのが楽しいとか言ってた俺が壮絶なバカだった。雷鳴の轟く中、小冊子片手に一人興奮する俺。今までの苦労はなんだったんだろう。
午後11時半、本日はいろいろとあってお疲れなわけで、早めに就寝することに。朝の出来事など忘れて熟睡してしまうのだった。
本日の走行距離: | 約400miles (約645km) |
トータル走行距離: | 4387miles (7060km) |
本日の出費 | |
GA Lithonia | :チーズバーガー ソーセージビスケット 水 おタバコ 計$10.29 |
GA Stone Mountain Park | :入場料$8.00 |
GA Atlanta | :パーキング$5.00 |
GA World of Coca-Cola | :入場料$9.00 ショットグラス$2.70 |
AL Montgomery | :給油$33.21 サンドイッチ ダイエットドクターペッパー 計$5.27 |
Total | :$73.47 |